賽門鄧普拉:日本の伝統料理と思っていませんか?テンプラの歴史を少しだけ考える
西門駅から少し歩いた所に賽門鄧普拉はあります。
帯に短し襷に長し、1階の食事とするには若干量が少ないので小腹が空いた時のおやつのような位置付けて行くのがよいかと思います。
招牌甜不辣には大盛りがあるものの、メニューはシンプルに5品のみ。
壁に大きく写真付きで張ってあるのでわかりやすい…ように見えますが、価格表と名前が若干違うので大混乱です。
メニューの炸牛蒡絲天婦羅加餛飩酥は価格表では綜合炸天婦羅加餛飩酥になっています。
もちろんゆっくり見ればわかりますが、これを頼もうと思っていたメニューの名前がいざ注文しようとすると見当たらない時の混乱といったら…。
甜不辣は発音から考えてテンプラですが、日本のおでんの練り物に近い存在です。
「甜不辣」という漢字は「甘くて辛くない」という意味であり、なかなか的を得た面白い名前だと思います。
よく日本料理の揚げ物としての天ぷらを比較対象として取り上げ、台湾の甜不辣は日本の天ぷらと全然違う(偽物だ)と言っている人がいますが、テンプラは諸説あるもののポルトガルから伝来した料理の1形態であり、日本でもさつま揚げのような練り物をテンプラと呼ぶ地域があることをお忘れなく。
と思っていたら、お店に甜不辣の起源が書いてありました。
ポルトガルから日本に伝わり、それがさらに台湾に伝わってきたと。
ちなみに「日本のおでんの練り物に近い存在」と書きましたが、おでんも日本の地域によって田楽を指したり、料理の携帯が若干異なっていると言われています。
おでんは台湾では關東煮と呼ばれており、また韓国では오덴は具材の名前となって発展していますね。
…と思っていたらおでんとの違いも書かれていました。
手回しがいいですね。
その他店内には「賽門鄧普拉的由來」とお店の縁起が大きく書かれています。
よくわかりませんが映画の主人公の名前…?
閑話休題。
料理は席まで運んでもらえるので、入り口のカウンターで注文をしたらお店の中に入り自由に座ります。
箸や楊枝ではなく、わらび餅を食べる時に使う木べらのようなもので食べます。
レンゲが必要であればテーブルの下に用意されています。
ちなみにお店の人は愛想はありませんが、台湾では普通なので気にしないでおきましょう。
日本以外の国では客は神様ではありませんので、愛想は有料です。
招牌甜不辣
本当は炸餛飩酥を頼んだのですが、何故か招牌甜不辣になりました。
あまり気にせず食べましょう。
豆腐、ちくわ、大根、貢丸、さつま揚げ、練り物、平たい練り物、揚ワンタンといろいろ入っています。
揚げワンタン…も入っているんですね、結局招牌甜不辣の方が正解だったかも。
お店の人に感謝。
各具材はアツアツでモチモチ、貢丸は胡椒が効いています。
上にかかった味噌は何という名前の味噌なのでしょうか、甘い味噌です。
この味噌を具材にたっぷり絡ませて食べれば…。
最初は具材がたっぷり入っているため汁はほとんど入っていませんが、お変わり自由なので自分でカウンターまで足しに行きます。
全部食べた後に汁を飲んでほっこりしている人が多いかしら、落ち着く味です。
お玉を使って直接鍋から汁を掬いますが、間違えて具材ごと取ってしまう人はいないのでしょうか…。
炸牛蒡絲天婦羅加餛飩酥/綜合炸天婦羅加餛飩酥
綜合というからもっといろいろ入っているのかと思わせておいて、牛蒡の天婦羅と揚げワンタン4つのセットです。
付け合わせにキュウリが付いてきます。
牛蒡の天婦羅は外側サクッと揚がっているものの中はもっちり、牛蒡味。
国によっては牛蒡と木の根っこの区別がつかない人もいるようですが、台湾ではスーパーでも牛蒡をたまに見かけますね、他ではなかなか味わえない味。
招牌甜不辣はいろいろな具材が入っていましたので、それと比較するとコスパが悪いように思います、少し高いかな。
牛蒡絲天婦羅だけのメニュー、餛飩酥だけのメニューもあるので、これらは材料費が他のメニューよりも少しかかるということなのでしょうけど。
高麗菜捲
高麗菜捲は2つ入り、例の甘い味噌がたっぷりと上にかかっています。
名前からロールキャベツのような物を想像していましたが、果たして…。
キャベツの中は野菜…ではなく、これは豚肉と蓮根でしょうか。
大きさはそれほどでもないのですが中身が詰まっているので結構ボリュームがあり、食べごたえがあります。
丸ごと出て来て食べにくいのでは…と思っていましたが、食べやすいように切ってくれています。
ただ一方で箸や楊枝がありませんので木べらで食べなければなりません、食べにくい…。
捷運市政府站に直結しているデパート地下にも支店ブースがありました。
他にも支店があるようですね。
お店の場所は以下になります。