艋舺:ディープな台湾を体験したければ外せない、でも自己判断自己責任でどうぞ
艋舺は現在の萬華、龍山寺付近の名称で台北で最も古くから栄えていた地域と言われています。
大稻埕同様、運河沿いの立地を活かし貿易、経済の中心地として発達しました。
土砂の堆積で運河に大型船舶が入港できなくなった結果、貿易の中心は大稻埕を経て淡水へと徐々に移り変わりますが、それでも文化の中心としての地位は保ち、長らく台北随一の繁華街として賑わい続けます。
今でも龍山寺付近に伝統的な市場が残っていたり、流行の発信基地として若者を引き付ける繁華街、西門などその栄華を残しています。
艋舺という名前はもともとは先住民の言葉に由来していますが、日本統治時代の日本語での呼び名や台湾語での呼び名、中国語での呼び名と漢字での表記など様々な変遷があり、現在でも様々な発音で呼ばれ、現地で配布されている資料などを見てもなかなか統一された呼び名は定着していないように思います。
一般的には台湾語の艋舺(Bángkah)と呼ばれることが多いようです。
艋舺はかつて風俗街があり、ヤクザの街として治安面で不安が残る地域でした。
当時の雰囲気は2010年の映画「艋舺」(邦題は「モンガに散る」)で伺いみることができます。
映画の内容は青春ドラマありつつも打打殺殺の暴力シーン多数なので好き嫌いあると思いますが…。
捷運の龍山寺站駅前には所在投げにウロウロしている浮浪者や売春婦が未だ大勢いるものの最近は治安は比較的改善し、観光客も多く見られるようになりました(安全かどうかは自己判断でどうぞ)。
剥皮寮という歴史的建造物の保存地域ではかつての街並みが残されています。
龍山寺という名前のお寺は鹿港など台湾の他の地域にも幾つかありますが、艋舺龍山寺は280年程の歴史を持つ台北で最も古いお寺です。
仏教のお寺なので道教の廟との違いが気になるところですが日本以上に神仏混合が進み、ごちゃ混ぜで仏教道教それぞれの神様が祭られています。
かつて栄えていた華西街觀光夜市などは徐々に人が減っているようですが、一方ではディープな台北を体験できると一部のマニアには人気のエリアとして今に至っています。
商店街は飲食店以外にも様々な老舗の店舗があり、蛇や鼈なども売られていますので一度は異国情緒を味わいがてら覗いてみると良い経験になるかもしれません。
西門は10代20代の若者向けの流行の発信地、またはアニメや漫画好きが集まるサブカルチャーの街、オタクの街として栄え、日本の原宿や秋葉原と比較されることが多い賑やかな地域です。
西門の代表的な建築物に数えられる紅樓は中に演芸場が設置されていたと言われ、その関係からか今でも西門には多くの映画館があります。
交差点ではストリートパフォーマンスが繰り広げられ、新しくできた飲食店には人だかりができ、どこもかしこも大勢の人出で賑わいます。
衣料品やキャラクターグッズ、ファストフード店などに紛れていますが、行列ができる新旧有名店や庶民的な食堂も若干あります。
便利な立地にありつつもローカルな雰囲気を持ったこれらの食堂は旅行者も気軽に利用できるので人気があります。