大稻埕:バイクの滝とお土産だけじゃない、伝統と美食のエリアの魅力
大稻埕は艋舺( 現在の萬華、龍山寺周辺 )と近接し日本統治時代以前から台湾(台北)の貿易経済や文化の中心地として栄えていました。
世界各地の他の都市と違わず資材運搬に有利な運河沿いに位置し、 貿易によって栄えたと言えるでしょう。
大稻埕は台北市大同区、概ね捷運の大頭橋付近であり、京都の西陣のように地域名として生活の中に残っていますが住所などの地名としては使われていません。
今でもマジョリカタイルが嵌められた当時の栄華を散りばめた建築が多く残されており、日本人にもお馴染みの迪化街などにその栄華を残しています。
…と過去の都市として表現する必要はないでしょう。
交通網(捷運)の発達により今でこそ台北の中心は台北駅周辺、あるいは台北101や市政府のある東側へと移動しましたが、ついこの間(15年ほど前)までは台北で賑わっている地域と言えば西側地域、東側地域は未開発の地域という位置づけでした。
迪化街、龍山寺、西門など今でも観光客に人気の繁華街が西側にあるのはそのためです。
大稻埕は以前のような貿易経済の中心地としての存在感はなくなりましたが、服飾の繊維街、茶、漢方薬、干肉や干果物などの乾物街として、または伝統的な美食の残る街として今でも親しまれています。
特に旧暦年末の年貨大街では年末年始の買い出しに訪れた地元の人により東京のアメヤ横丁、大阪の黒門市場のようにな大賑わいになります。
日本統治時代の雰囲気は2014年の映画「大稻埕」(邦題は「ピース!時空を越える想い」)で伺いみることができます。
この映画は台湾語で話されるセリフが多いですが、コメディタッチで描かれているので中国語がある程度わかれば楽しく見ることができると思います。
台北を訪れる多くの観光客にとってもこのあたりは異国情緒漂う地域として、またオートバイの滝で有名になった台北大橋のような台湾の個性が光る地域として訪れる価値ある地域とされています。