阿春の粥店:夜型人間の空きっ腹を優しく満たしてくれるお粥屋さん

夕方から翌朝までやっているお粥屋さん。
タクシードライバーなど夜勤を終えて家に帰り、寝る前に優しく胃を満たすためなのでしょうか、お粥屋さんは朝4時5時6時まで、といったお店がたまにあります。

阿春の粥店
朝までやっているので時間帯によっては空いています

21時ごろという中途半端な時間に行くと空いていました。
最初は気が付きませんでしたが、お店の前に出ている屋台は同じお店で、店内が油っぽくならないよう揚げ物は外で調理しているようでした。

店の前は揚げ物の調理場

壁には各種料理の写真がかけられています。
年季が入っているので今となっては違った雰囲気の料理もあるかと思いますが、中国語がわからない場合はとても助かりますね。

料理の写真

メニューはインターネットの情報と比較するとわかりますが、品数が減り、更にここ数年で値上げをしているようです。
台湾に限らず、多くのアジアの国は経済発展に伴い緩やかなインフレ基調にあるため、一般的に多くの飲食店は徐々に値上げをしていますね。

注文票、ビールが必要か?

頼んだメニューは香菇肉粥、皮蛋豆腐、炸豆腐、地瓜葉の四つです。
元々はエビやイカの揚げ物を頼もうと思っていたのだけれども、何故か豆腐多めのヘルシー志向になってしまいました…。

皮蛋豆腐

皮蛋豆腐は冷蔵庫で冷やされていた冷ややっこのようなものが出てきます。
冷たい料理は台湾では珍しく、夏場に重宝しそうです。
掛かっているソースはオイスターソースかしら、他に肉鬆という豚肉の田夫が掛かっていて皮蛋と合わせ複雑な味わいを作り出しています。
台湾人は理由はわかりませんが「日本人は皮蛋を食べない」「ゲテモノと思っている」と勘違いしている話をよく聞きますが何故なんでしょうね?

炸豆腐

炸豆腐は臭豆腐とは違い特に匂いはなく、外側もカリッとしていて中は熱々に仕上がっています。
炸豆腐に限らずですが、麻婆豆腐など中華料理の豆腐料理は豆腐の外側だけでなく中まで熱くなっていますね。
これが美味しさの秘密のうちの一つだと思うのですが、下茹ですることで中まで加熱し、余分な水分を抜いているのでしょう。
付け合わせは泡菜(台湾キムチ)。
泡菜は白菜(キャベツ)の酢漬けで辛くはなく、臭豆腐の付け合わとしてよく出て来ます。
泡菜は恐らく韓国キムチのルーツにあたり、この泡菜に日本から伝えられた唐辛子を加え韓国のキムチが生まれたのでしょう。
ちなみに韓国の唐辛子は見た目は赤く辛そうですが、実際はそれほど辛くありません。
韓国料理を作る際、赤くしようと日本の唐辛子を同じくらいの分量使うと食べられない程辛くなりますのでご注意を。

地瓜葉

地瓜葉はサツマイモの葉のことです。
壁に掛けられている写真では蠔油地瓜葉と書かれていましたのでおそらく掛かっているソースはオイスターソースでしょう。
醤油よりも豊かな味わいがします。
葉っぱは柔らかく火が通っていてとろみを感じ、茎の部分は歯応えが残っています。
ただの茹で野菜ではなく、やはり炒めて調理しているように思います。

香菇肉粥

香菇肉粥は椎茸、豚肉、キャベツ、葱、大蒜と具在が豊富なおじやのようなお粥です。
台湾のお粥は地域性の違いなのでしょうか、お米の何倍ものお湯を使い煮込んだお米の形を残していないフワフワのお粥がある一方、こういうおじやのようなお粥もたまに見かけます。
印象的なのが大蒜。
大蒜が効いたお粥というのは日本で見かけませんが、夜勤を終えて朝方帰るときにこのお粥を食べれば疲れを吹き飛ばしてくれそうですね。
こうした発想は何か漢方的な裏付けがあるのかもしれません。

お店の場所は以下になります。

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