金泉小吃店/賣麵炎仔:淡々と美味しい料理を作り続ける底力と自信、でもメニューはわかりやすくして下さい
金泉小吃店は迪化街の一本隣り、小学校横通りにある小吃店です。
店先は常に地元の人でごった返しており、台湾語が飛び交い、お腹をすかせたお客さんが発する特有のピリピリした緊張感が漲っています。
お店の人は忙しい中でもフレンドリーで、こちらが注文でするタイミングを掴めずにいると「何食べるの?」と気さくに聞いてくれます。
そのチャンスを逃さず注文したいところですが壁にはメニューなどの記載はなく、どういう料理があるのか下調べせずに行くと戸惑います。
一応カウンターに店員さんが使う注文票があるのですが、この記入方法がまた独特の暗号のようで、ぱっと見では何を書けばいいのか見当がつきません。
実はこの注文票、台湾人の間でも何が書いてあるのかよくわからない…と言われています。
中は相席も当たり前でごった返していますが、 こちらが不慣れとわかると席まで案内してくれますので安心です。
初めて訪れた際、私は注文票を覗き見てとっさに拾えた文字から湯麵と燒肉を注文しましたが、周りのテーブルを見ると乾麵と雞肉を食べている人が多かったように思います。
こちらは湯麵と雞肉を注文。
あらかじめメニューを下調べして行きましたが、「我要湯麵跟雞肉」ではうまく伝わりませんでした。
「何の湯麵?」と聞かれましたが種類があるんですかね、よくわからないです。
雞肉も注文票をよく見ると前・後とあるのでいろいろカスタマイズして注文できるようです。
この時は湯麵と燒肉、鯊魚を注文している人が多かったです。
湯麵はさっぱりした薄味で一日の最初の食事として食べるのに適しています。
最初の一口から思うのは、ここの湯麵は所謂「優しい味」ということです。
少し物足りない場合は他のおかずと組み合わせて食べるとよいでしょう。
食べている途中で味がなじんできますので、もしかすると調味料が底に沈んでいるのかも…最初にかき混ぜる方がよいかもしれません。
燒肉は注文票を見ると中・赤とありますが、部位のことでしょうか。
とんかつを薄くスライスしたようなもので、サクサクした衣と意外に柔らかい豚肉のうまみを味わいます。
下味が付いていますので、そのままでも美味しくいただけます。
別の小皿で付いてくるのは醤油膏(とろみのついた醤油)で、結構しょっぱいので注意しましょう。
雞肉は低温調理をしたかのような柔らかくジューシーな仕上がり、肉だけでなく皮も美味しいです。
ただし骨が残っていますので食べるときは注意が必要です。
食べ終わり席を立つと店員さんがいくらか計算しに来てくれます。
入り口にも幾らか伝えてくれますので、タイミングを見て廊下側にいる店員さんに支払いをします(これが結構難しい)。
湯麵の味をどう表現したものか考えた際に「優しい味」という台湾の料理を紹介する際によく聞く表現を使ってみました。
これは要するに「味が薄い」ことをポジティブに表現したものです。
台湾の味付けは薄味なものが多い(というよりも日本の味付けがかなり濃い)ので、 台湾の味に慣れていない場合は「優しい味」というのは「ちょっと物足りないんだなぁ」と思っていた方がよいでしょう。
これはおそらく台湾ではほぼ毎日外食するので味付けの基本として「毎日食べても飽きない味」が求められるのに対し、日本は外食の頻度が高くないため味付けの基本として「インパクトのあるはっきりとした味」が求められている違いなのかと思います。
また主食は薄い味付けで主菜の味を受け止める、白飯やパンと同じような役割、と考えれば主食にあたる麺類などのが「優しい味」なのも理由があっての帰結だとわかります。
旅行に行くと現地の食べ物は何を食べても美味しいと思いますが、毎日続くと脂っこい、飽きてくる、流石に厳しい、あっさりとしたものを食べたい…と思った経験、皆さんもあるかと思います。
台湾の料理はあまりそういう飽きがこない味で初めて食べた際には物足りないと思ったとしても、毎日食べていると段々とその味の奥にある魅力に気が付き美味しくなっていきますよ。
こちらのサイトで現在の三代目老闆の日本語インタビュー記事が読めます。
https://udn.com/news/story/6962/3865291
私が訪れた際に気さくに注文を聞いてくれたお兄さんは実は老闆だったんですね。
お店の場所は以下になります。