集集線:日月潭の途中で寄り道、バナナを求めるローカル線
鉄道は無数の喜びと郷愁を乗せ
台湾鉄道 集集線 鉄道に恋する旅物語
線路には人々の記憶が残されています
山々に囲まれた郷里にたどり着いたとき
優雅で、どこか懐かしい木の香りが漂い、
そうだ、ここは人々の中で一番美しい駅~
平溪線に続く台湾の鉄道支線制覇の旅シリーズ2段。
集集線の建設は、1919年の時、日月潭大発電所建設の輸送需要に基づき、工事を着手しました。1921年10月に竣工し、旅客輸送は翌年の1922年1月14日から始まりました。1934年に大観発電所が竣工した後、建設に携わった作業員は現地から引き上げましたが、集集線は衰退することなく、南投県内まで旅客と貨物を輸送する台湾鉄道の支線となりました。
集集線は、縦貫線(西部幹線)を通る二水駅から分岐し、二水駅を出発して源泉、濁水、龍泉、集集、水里の各駅を経て、終点の車埕駅に到着します。全長29.7km、駅数は6つですが、濁水渓に沿って東へ進み、南投県内に入ると雄大な山並みと川のせせらぎ、緑一面に広がる田園風景の中を列車は進んでいき、変化に富んだ自然美豊かな景観と文化史跡を歴訪する旅を楽しむことが出来ます。
しかし、1999年に発生した921台湾大震災では壊滅的な打撃を受けましたが、多くの方々の支援と努力のおかげにより、2001年に復興を果たし、震災後の観光鉄道の復興の代表として営業再開を果たしました。沿線の観光地には、懐かしさを感じさせるレトロな駅舎である集集駅、木々に囲まれた緑色公路と呼ばれる緑のトンネル、陶芸体験ができる水里蛇窯などがあり、今では数多くの観光客が訪れる台湾の中で最も有名な鉄道の支線となりました。
台湾鉄道 集集線 鉄道に恋する旅物語
集集線へのアクセス
集集線は台中・彰化と嘉義の間にあり、日月潭方面の山の中へ台湾最長の河川濁水渓に沿って伸びていく支線です。
日月潭へ直接は繋がっていませんが終点の車埕站やその一つ前の水里站からは日月潭に向かうバスが出ています。
集集線の見どころ
タイトルに書いたこととは逆のことを言いますが、集集線と言えばバナナの産地と聞いていたのですが、季節柄でしょうか、バナナに関連したものはあまり見かけませんでした。
その他に得た情報としてはクスノキが立ち並ぶ緑のトンネル、集集綠色隧道がここら一体の見どころになっているそうです。
クスノキと言えば樟脳ですが、そういえば台湾は樟脳で大きく発展した歴史がありましたね。
樟脳は清時代や日本統治時代の台湾専売事業として林業の発展と深くかかわり云々…と細かいことを知りたければWikipediaをどうぞ。
また以下の國立台灣博物館の南門館でも台湾と樟脳に関する常設展示をしています。
こうした歴史と地理とが交わる現場を直接見られるのは旅の醍醐味です。
楽しむためには前提知識がいろいろ必要なので予習をしていきましょう。
学校の授業もこういう実生活との関連性を踏まえたうえで教えてくれればいいのに…と思いますが、そんなことは既に常識かつ実施済みで、結局自発的に何か目的を持って取り組まないと伝わらないものが多いのでしょう。
集集線の駅
集集線は田中站を含んで考える場合もあるようですが、ここでは二水站で区切りました。
また一般的には集集線と言えば二水站から車埕站方面へ向かうイメージかと思いますが、今回私は日月潭方面から利用しましたので、車埕站から二水站へと向かう逆方向で利用しました。
駅名 | 基本情報 | 備考 |
二水 | Wikipedia | |
源泉 | Wikipedia | |
濁水 | Wikipedia | |
龍泉 | Wikipedia | 集集綠色隧道 |
集集 | Wikipedia | 武昌宮 |
水里 | Wikipedia | |
車埕 | Wikipedia | 排骨飯(車埕小飯店) |
集集線の運賃
竹南、苗栗、豐原、台中、新烏日、彰化、員林、田中、二水、大甲、沙鹿、斗六、嘉義
上記の駅で集集線の一日乗車券は購入可能です。
子どもや老人、障碍者向けの優待用(45元)と一般用(90元)があるようですね。
ただ平溪線同様本数が少ないのでかなり頑張らないと元を取ることはできません。
一日乗車券は記念用と思っておいた方がよいでしょう。
私は特に確認はしませんでしたが車埕から出発したので都度悠遊卡で支払いしました。
集集線の車両
写真撮影と資料集め、取材の為に何度も乗り降りしましたが、集集線は三種類の車両が往復しているようです。
以前はまっ黄色にラッピングされたNATIONAL JIJI MUSEUM(國立集集美術館)というとても気になる電車が走っていたのですが、廃止になった模様、残念。
平溪線と同じ型の車両でラッピングを変えて運行しているようですね。
これらは電車ではなくディーゼル車なので車両数が限られていたりといろいろ事情があるのかと思います。
集集線と書かれた車両を他の地域で見かけることもあります。
各車両の内部にはそのラッピングに合わせてマスコットが置かれていたりします。
石虎について興味のある方はこちらを参考にどうぞ。
國立自然科學博物館 石虎的美麗家園(中国語)
Wikipedia – 石虎(中国語)
Wikipedia – ベンガルヤマネコ(日本語)
内部の作りは平溪線の車両と同じです。
補足情報と徒歩コース
集集線は時間帯によりますが1時間20分程度に1本のダイヤで運行されています。
改定すると大変だからでしょうか、台湾鉄道の公式ページではPDF等での時刻表配布はしていないようですね(インターネットで検索すれば時刻表画像も出てきますので探し方がよくないのかもしれません)。
一応最新の情報を確認できる方法を紹介しておきますと、以下の台湾鉄道のページから時刻表検索をして一覧表示するのがよいでしょう(出發站 3430(彰化縣-二水)、抵達站 3436(南投縣-車埕))。
台湾鉄道のWebページは昔は彼方此方に不具合があり使い物にならなかった使いにくかったのですが少しずつ改善されているようです。
電車には上り列車と下り列車がありますのでうまく活用すればいろいろ見て回れるでしょう。
徒歩に関しては若干微妙で各駅間の距離は以下の様になっています。
これはおそらく線路の距離なので徒歩で歩く道はもう少し離れていそうですね。
- 車程 – 水里 2.3km
- 水里 – 集集 7.4km
- 集集 – 龍泉 4.3km
- 龍泉 – 濁水 4.9km
- 濁水 – 源泉 7.9km
- 源泉 – 二水 2.9km
(車程 – 水里)(源泉 – 二水)は歩けそうですが最初と最後の区間にあたるので悩ましい。
(集集 – 龍泉)(龍泉 – 濁水)も歩けそうですが区間が連続していますので両区間を歩くと8.2kmとそれなりの距離になります、どちらか片方を選ぶ方がよさそうです。
結論として電車の待ち時間に徒歩で移動し効率よく回るのは難しいですね。
旅程サンプル
参考までに私のルートを紹介しておきます。
先にも述べましたが一般的なルート(二水 → 車埕)とは逆方向になりますが、日月潭から台中や嘉義に向かう際は参考になるでしょう。
日月潭の宿のチェックアウト時間と日月潭から車埕までのバスの時間を考慮に入れたうえで、時刻表の電車の本数と駅の数を考えるとすべての駅を網羅するのは一日掛かりの旅程になりそうです。
また二水へ到着後は嘉義へ移動し22時までに次の宿のチェックインをする話になっていましたので、まぁ時間的には大丈夫そうなものの、慣れない土地ですのであまりのんびりもしていられません。
結局は荷物もあるので徒歩での移動は最後の(源泉 – 二水)のみとし、他は全て電車で移動します。
各駅で下車し駅周辺を簡単に散策、次の電車で移動を繰り返します。
- 車埕 10:20 乗車
- 水里 10:25 下車 11:45 乗車
- 集集 11:58 下車 13:18 乗車
- 龍泉 13:25 下車 14:45 乗車
- 濁水 14:55 下車 16:15 乗車
- 源泉 16:25 下車
- 二水
集集綠色隧道のある龍泉などではレンタサイクルの貸し出しもありますので、集集線沿線の観光自体を旅の目的とし、一日かけてゆっくり見て回ることもできます。
と、言いますかそっちが普通の旅行な気がします…。
また調べていませんがレンタサイクルがもし他の駅でも返却できるのであれば利用価値は高いですね。
その他の参考資料
台湾鉄道 集集線 鉄道に恋する旅物語
台湾観光情報公式サイト