北港阿榮古早味:陸海空、絶滅危惧種の蝦仁飯が台北にやって来た
排骨と蝦仁が入った海陸飯。
Facebookで見かけて美味しそうと気になったので行って来ました、まだ新しいお店のようです。
台南には蝦仁飯というエビご飯があるのですが、台北ではほとんど見かけません(先日蝦仁飯は絶滅危惧種とニュースになっていました)。
以前台南に行った際に蝦仁飯を食べたのですが、運が悪かったのか元々そういう料理なのか、ご飯に出汁をかけているようで水分が多くベチャッとした食感であまり美味しいと思えませんでした。
ただ食材から考えれば料理としてのポテンシャルは十分にあり、工夫次第で可能性を感じたので機会があればまた食べてみたいと思っていました。
海陸飯は蝦仁飯とは若干違いますが似たポテンシャルを感じさせてくれます。
一度目の訪問は14時ごろに訪問、売り切れと言われました。
その後に来た人はおかずだけでいいので売ってくれと排骨などを注文していたので、白飯がなくなったのでしょうか。
二度目の訪問はまさかの臨時休業。
龍山寺の捷運站から少し離れていて、付近には別段用事がないのでわざわざ訪ねてきたのになかなか入れないので結構ショックです。
三度目は何とやらで入れました、早めの11時過ぎの訪問です。
高まる期待はフラグな気もしますが…。
ちなみにお店の名前にある北港というのは地名で、台湾中南部の雲林縣にある町の名前です。
北港という名前から海辺の町のような印象がありますが、意外にも海に面していない内陸の小さな街です。
老街もあり河川に面して位置していますので昔からある街であることが伺えます。
特にこれと言った特徴はないという人もいますが、北港という名前を持ったお店は結構見かけますので、何か特徴があるのではないかと疑っています。
観光地としては媽祖という神様を祭る廟の総本山、北港朝天宮(北港媽祖廟)があり、その誕生日のお祭りはものすごい人出になります。
先ほど北港は内陸の街と書きましたが、これまた不思議なことに媽祖は海の神様だったり…。
閑話休題。
蝦仁は台南の蝦仁飯とは違い、一度軽く揚げているようで、薄い衣が付いています。
プリプリした食感ですがあまりエビの味はしなかったような。
排骨はスペアリブを挙げた料理ですが、更にソースで煮込んだ感じでしっとりと柔らかい。
赤身肉を煮込んだ料理は味が抜けてパサパサした食感だけが残っている場合や、衣がベチャベチャになって食べにくい場合が結構あるのですが、ここの排骨は衣もソースを絡めていて美味しいですね。
排骨の下には赤身の肉片がコロコロと入っています。
これが恐らく魯肉飯の肉になるのかと思うのですが、結構いい肉を使ってる感じです、滷肉飯も期待できそうですね。
その他酸菜はシャキシャキしていて歯ごたえもよく、アクセントになっています。
浅漬けなどの漬物と若干近い気もしますが、酸菜のようなポジションの料理は日本では見かけないような気がして表現が難しいですね。
作り方や味付けは全然違いますが、切り干し大根のようなポジションでしょうか。
油豆腐も入っていて、これがまた中まで味が染みていて美味しいです。
海陸飯、全体的に完成度の高い逸品と思いました。
スープは清燉草魚湯を選択。
Wikipediaによると草魚は鯉のような魚だそうですが日本ではソウギョと呼ばれ、水草を食害するので要注意の外来生物に指定されているそうです。
その草魚の切り身と針生姜、葱が入っているのですが、草魚は生姜と一緒に食べないと若干生臭いです。
それと小さな切り身の割りには骨が残っていて食べにくい…。
スープはまぁ美味しいのですが味付けは化学的な感じがします。
・
・
・
あ、海陸飯に玉子乗せるの忘れた…。
ので、後日再びの北港阿榮古早味へ。
四度目は閉店前の20時過ぎに到着。
海陸飯は前回も食べたので、今回は滷肉飯にしようか考えつつ汁物は蝦仁湯にしようと決定。
忘れないように香鴨煎蛋も決定。
事前に少し考えた注文は結局のところ蝦仁湯、香鴨煎蛋に続け、海陸飯と、油豆腐になりました。
準備完了、後は注文するだけです。
が、海陸飯の場合油豆腐は入っているので追加でもう一つ必要なのかわざわざ確認してくれたのでキャンセル。
ここの油豆腐はかなり美味しいのでもう一つあってもいいですけどね。
滷肉飯ではなく海陸飯にしたので、蝦仁湯も変えればよかったかな…。
海陸飯にもエビが入っているのでエビエビになってしまいました。
事前に考えたのにダメダメです。
香鴨煎蛋は別皿で出してくれます。
煎と言うのは油多めのフライパンで焼きながら揚げる調理法なのですが、焼くよりも油っこく、揚げるよりはあっさり仕上がります。
日本語にはない調理法なので何とも難しいですが、この煎という調理法があるため台湾の料理は油っこい印象になっている気もします。
この玉子を海陸飯に乗せて…箸で玉子を割ると…。
ついに…満足。
蝦仁湯も清燉草魚湯同様スープのベースが天然素材ではなく化学的な気がします。
胡椒が若干効いているのでこっちのスープは生臭くはありません。
エビが思っていたよりも少ないと言うか適量で、それが逆に海陸飯の完成度を際立たせてくれました。
お店の場所は以下になります。